第4章 『3.料理』
私達を乗せた飛行船は30分程でまふたつ山に辿り着いた。
船から全員が降り、集まったところでメンチが課題を口にした。
メンチ「課題はゆで卵。
ここ、まふたつ山にはクモワシという鳥の巣があるわ。クモワシは外敵から卵を守るために渓谷の間に丈夫な糸で巣を作りそこに卵を置いているわ」
そう言うメンチの背後に広がるのは大きな谷間。
下からは激流の音が聞こえてくる。
メンチ「ま、どうやってとるかは今から実践するから見てなさい」
メンチは言い終わるとそのまま身体を後ろに飛ばし、谷へと落ちて行った。
驚いて下を覗けばメンチはクモワシの糸に掴まっており、卵を一つ抱えていた。
そのまま崖を登ってくるかと思ったらあろうことかメンチは糸から手を離した。
ウィル「っ!落ちる!!」
落ちて行くメンチに焦ったが、直後 下からは凄い風が吹き上げてきた。
そして、落ちていたメンチはその上昇気流に乗り、谷の外まで上がってきた。
メンチ「はい、これがクモワシの卵よ」
いきなりの凄技に周りがざわつく。
だが例外もいる。
ウィル「ゴン…めっちゃ目輝いてるね」
(分かりやすくていいか)
ゴン「うん!料理とかわかんないからこういう方がいい!!」
キルア「同感」
レオリオ「よっしゃ行くぜ!!」
クラピカ「ああ!」
私たちは勢い良く空中へと身を踊らせた。
チラリと後ろを見ればその場で足踏みをする人もいれば私たち同様、谷へと飛び込む者もいる。
この程度の危険も乗り越えれない様な物にハンターになる資格はないってことだろう。
先程、メンチを散々伐倒していた奴は尻込みしたのか飛び降りることをせずにいた。
大量の受験生が一度に糸に捕まったせいで糸が切れたが、なんとかタイミング迄に間に合った。
私たちは上昇気流に乗り、谷から舞い上がった。
その後はとってきた卵をみんなで食べた。
私たちは無事に二次試験を合格した。
二次試験合格者は飛行船に乗り、三次試験会場へと向かう。到着予定時刻は8:30。