第3章 『2. 詐欺師の塒』
受験者一行は深い霧に包まれる森をひたすらに走った。少しでも前と距離が離れたら合流することは至難の技だろうというほどに霧は私たちの視界を奪う。
ウィル「…前に行かないとやばいんだけどな」
私の前には沢山の受験者がいて中々前へ進めない。
無駄に群れてるせいで厚い壁となっている。
そんな人垣の向こうからゴンの声が聞こえた。
ゴン「キルアが前に来た方がいいって!!」
レオリオ「行けたら行ってるわ!!!」
それに対してレオリオが叫んだ。
ウィル「でも、本当に前に行った方がいいな…。」
(後ろから半端ないぐらい嫌な気配するし。…ヒソカが確実に何かしてくるな)
クラピカ「ああ、だがこうも人垣があると前へ出れない…。」
ゴンの言葉と後ろからする気配に少し苛立ちが募るがどうしようもない。
前を吹き飛ばせば進めるのだが、こんなとこでそんなことをするのは忍びない。
そんなことを思ってる時だ
前方に見えていた人影の幾つかが揺らいだ。