第3章 特別な感情
「白水先生!」
廊下を歩いていると坂田先生と談笑する白水先生が目に移り、駆け寄り声をかける。
「おう、今日も元気そうだな」
わしゃわしゃと頭を撫でられ、嬉しくなる。
白水先生とは今でも関係が続いている。勿論、他の人には絶対に言えない二人だけの秘密だ。その関係がたまらなく、俺を幸せな気分にしてくれる。
「あ、そうだ。後で資料をまとめるの手伝ってくれないか?」
「…はい」
胸がドキリと高鳴る。特別授業の合図だ。
緩んでしまいそうになる頬を堪えながら、小さく頷く。
すると会話を聞いていた坂田先生が訝しげな眼差しでこちらを見ている事に気が付いた。