第3章 特別な感情
「資料、この場所でいいですか?」
「あぁ、そこに置いといてくれ」
そう返事を返され指定された場所に資料を片付ける。
二人でやると作業が早く進み、あっと言う間に片付いてしまった。これで楽しみも終わりか…。
もう少し話をしたかったが、これ以上白水先生を足止めするのも悪いと思いドアの方へ足を向ける。
「じゃあ、俺教室戻りますね」
「まだいいだろ」
不意に右腕を掴まれドキリとする。
驚いて振り向くと、白水先生はいつもの甘い笑みを浮かべていた。
「もう少し話そうよ。山崎君の話、聞きたいな」
「…は、はい」
そんな事を言われたらそう言わざるを得ない。思ってもいない嬉しい言葉だった。
それだけでも嬉しかったのに、掴まれていた腕を引っ張られ、そのまま先生の胸の中に飛び込む形となってしまった。