第2章 アブノーマルカップル
嘘だろ…映画終わるまでずっとこの状態?
こんな心臓の音も、息をする音も聞こえるくらい密着した状態で2時間も…いや、耐えられるわけないじゃん。今だってキツイのに。
別の事考えなきゃ。と、取り敢えず…映画に集中しよう。
スクリーンに視線を向け、映画に集中しようとすると丁度濡れ場のシーンに変わり、セーラー服姿のAV女優が喘ぎ声をあげていた。
『アッ…ダメッ、先輩っ…!』
うわ…学園ものかよ。よりによって…なんつーもん選んじゃったかな俺。
映画を観ている内に、段々と八雲の下腹部にも熱が籠ってしまう。
それはスクリーンの中でいやらしく喘ぐAV女優に対してではなく、そのAV女優が自分と重なってしまい、沖田との今までの行為を思い出してしまったからだった。
俺…沖田先輩の前だといつもこんな感じなのかな。だとしたらスゲー恥ずかしいんだけど。
ダメだ、思い出しちゃう。身体熱い…。あーもう、何考えてもダメだ。
一人悶々としていると、下肢に腕が伸び小さく撫でられる。
「っ…!」
思わずあげそうになった声を飲み込み、後ろを振り向くとニヤリと笑みを浮かべる沖田先輩と目が合った。