第20章 我慢厳禁【※女主】
「多串君早えーじゃねーの。そんなに俺との昼食タイム楽しみだったか?」
いつもの銀八の軽口に今日は返事をする気にはなれない。無言のままの土方に銀八は怪訝に思いつつも隣に腰かけた。
「お前これでよかったんだよな」
「…あぁ」
銀八から差し出されたパンを受け取り黙って袋を破った。
「なんだよ機嫌わりーじゃん。何かあったか?」
「別に、何もねーよ」
自分でも分かるほどの素っ気ない返事だった。
しかし銀八が白水に告白された事を思い出すとどうしてもいつもの様にはいかない。
本当は今すぐにでもどう返事をしたのか、白水をどう思っているのか問いただしたい。なのにどう切り出していいか分からず、イラつきを抑えれなかった。
そのまましばらく無言が続いてしまった。