第20章 我慢厳禁【※女主】
屋上のドアを開けると誰も居ない。銀八はまだ来ていないようだ。
土方は壁を背にその場に座り込むと、深いため息をついた。
あいつ…どう返事したんだろうな。
脳裏に先程までの光景が浮かぶ。
教室の窓から気紛れで外を眺めていると、偶然にも八雲が銀八に告白をしているところだった。
土方は声までは聞こえなかったが、顔を赤らめ銀八に頭を下げる八雲の姿は、遠目でも告白をしているところだと分かった。
どう見ても告白だったよな。…まさか白水が銀八の事好きだったなんて思いもしなかったけどよ。
再び口からため息を吐き出す。この事を考えるとどうにも胸がモヤモヤとし、授業にも集中出来なかった。
まさかOKの返事出してねーよな。白水って確か密かにファンクラブあるほどモテるって聞いたしな。まぁ、あの見た目ならそうか。
…大丈夫だよな?
クソ、白水と仲良いわけじゃねーから聞くに聞けねーし…つーか、良くてもどう聞きゃいいんだよ。
考えれば考えるほどモヤが溜まり頭を掻きむしる。
するとガチャリとドアが開く音が聞こえ、ドアの方へと顔を向けた。