第17章 ホワイトデー
銀八はため息をつきながら頭を振る。
「あのなぁ、普通ホワイトデーって3倍返しだろ。お前それをチロルチョコって…あげたチョコよりも安い…」
「じゃあ俺次授業なんで行きますね」
「いや待てオオオオイッ!!」
さっさと話を切り上げ出口へ向かおうとする八雲の肩を銀八は慌てて捕まえる。
「何もう話は終わったみたいに行こうとしてんの!?まだ終わってねーんだよいい加減泣くぞ俺!」
「えー、だって俺今それしか持ってませんし」
「だからってこれはねーだろ!俺への気持ちはこの程度か!?」
子供のように必死にすがりつく銀八に八雲も困惑する。
しかし持っているものは今あげたチロルチョコのみというのは本当のようで、どうしたものかと悩んでしまう。
困ったなぁ。今銀八さんが満足するものあげないと手離してくれそうもないし。だからと言ってもうお菓子はないしなぁ。…あ、そうだ。