第17章 ホワイトデー
「…3月14日と言えばそーだろうが。お前俺からチョコ貰っただろ?」
こうなりゃ自棄だと言わんばかりに全て口に出す。というかこっちの方が早かった気が。
八雲は納得したように頷いた。
「あぁ、お返し欲しかったんですか。なんだ、それならそうと早く言ってくれればよかったのに」
「俺も今そう思ってるよ。まさか新幹線どうのこうの言われると思わなかったからな」
銀八は大きくため息をつくも、これでようやくお返しが貰えると八雲に手を差し出した。
ようやく分かった八雲もポケットに手を突っ込み取り出した物を銀八の手の平の上に乗せた。
「…何これ」
手の平の上に乗るチロルチョコを見て銀八が目をぱちくりとさせる。
「お返しです」
違う。俺が求めてるものはこれじゃない。