第16章 ある昼休み【長編番外編】
「晋助様!いいんスか!?教師にこんな好き勝手出入りさせて!」
こうなったら晋助様からビシッと言って貰おう。怖いものなしのこの人なら例え教師相手でもカッコ良く追い出してくれるはずだ。
そう期待を胸に込めるまた子だったが、高杉からの答えは期待を覆すものだった。
「邪魔はしねぇよ。好きにさせてやれ」
「そ、そんなぁ…」
予想外の返事にまた子は愕然とする。
何故か晋助様はこの教師に甘い。そこがまた腹立だしく、また子はどうしてもこの八雲という男を認める事が出来なかった。
見るからに弱そうで、下手をすれば中学生にも見える。こんな役に立ちそうもない男のどこを、晋助様は買っているんだろうか。いつも疑問に思ってしまう。
「えーっと、また子ちゃん…だっけ?俺は君達の邪魔する気はないから安心しなよ。授業をサボろうと何処で暴れようと俺は止めない。むしろ学生時代はやりたい事やりまくった方がいいよ」
「いや、それもそれでどうなんスか!?それ教師の発言じゃないっスよ!」
「そうかな。…けど俺偉そうに説教垂れる教師って嫌いだし、というか俺自身やりたい事やり続ける人生過ごしたいし」
「じゃあなんで教師になった!?」