第15章 アブナイ遊び【銀魂】
夢の中にいるように頭がぼんやりとする。
だが先ほどまでの事は紛れもなく現実で、身体は鉛のように重く痛む。終は気遣うように俺の腰をさすっていた。その優しさは嬉しくも感じるが、どこかむず痒く、一体何をこの人に言えばいいのか分からなかった。
「…いつから起きてたんですか?」
ようやく口に出せたのはその言葉だった。終はいつものように筆とノートを取り出すとサラサラと何かを書き俺に見せてくる。
<毎晩のようにあんな事されてたら流石に起きてるZ>
…つまり最初から起きてたのか。
けど、いつから気付き始めていたんだろうか。いや、それよりも
「…なんで」
なんで、寝てるフリなんてしてたんですか。
そう聞きたかったが、声に出なかった。
分かっていればこんな事続けなかったのに。どんな目で俺を見ていた?どんな気持ちで俺を受け入れていた?
同情か?
だとしたら余計惨めだ。
この人の考えている事がまったく分からない。だからこそ怖かった。気持ちがバレた時、耐えられなくなるのは自分だ。
「っ…すいません」
結局何も聞けくなってしまい、何に対して謝るわけでもなく、俺は早々と着替えを済ませその場から逃げるように立ち去ろうとした。
部屋を出る時、終が紙切れを渡してきたが、俺は何も言わずに自分の部屋へと戻った。