第15章 アブナイ遊び【銀魂】
いつからだったか、この斉藤終という男が気になり始めたのは。
鋭い瞳の視線の先はいつだって変わらない。真っ直ぐと前を見つめている。
オレンジ色の髪と白い肌が赤い鮮血で染まろうと、どんな戦場に立とうと、その目は変わることがない。
寡黙で、正義感の強いこの一匹狼に惚れ込んだのは、いつからだったか…
顔を近付け終の唇に自分の唇を軽く押し当てた。
乾いた唇は硬く、カサリと乾燥した皮が当たる。それでも俺にとっては心地良いものだ。
口を離し、余韻に浸るようにただ終の頬を撫で続けた。
自分でもどうかしていると思うし、卑怯な真似をしている事も分かっている。
けど
言えるわけないがない。こんな感情。
高望みなんてしない。触れる事さえ出来れば俺は満足なんだ。
この人の傍に居たい。この人を見ていたい。想いなんて伝わらなくてもいいから、ただ、触れていたい。
それで俺は満足なんだ。
そう思っている内に、こんな事をするようになりいつの間にか日課となってしまった。
一度寝るとなかなか起きない人で助かっている。おかげで今でも続けられている。