第13章 そういう男
「?…どうした?顔が赤いぞ?」
「…別に」
恥ずかしくなり顔を逸らす。
男気があるわりにはこういうところで鈍感なのが玉に瑕だが、小太郎には勝てそうもないと思い知らされる。
…だからってずっと負けていられるかよ。
「…これ、やる」
「あぁ、ありがとう」
おもむろに鞄から綺麗にラッピングされた箱を取り出し小太郎に渡す。小太郎は疑問に思う事もなくサラリとした態度で受け取った。
「…何入ってるか聞かねーの?」
「チョコだろう?」
実際その通りなので頷く事しか出来なくなってしまう。
だけどチョコのことなど伝えていないし、こいつも俺がチョコを渡すなんて知らないはずだ。