第10章 告白の言葉
「…八雲!」
俯き口ごもったままの八雲に痺れを切らし、両肩を掴んで強めに呼び掛ける。
細い肩がビクリと震え、ゆっくりと顔を上げる。潤んだ瞳をジッと見つめてやれば、観念したようにようやく口を開いた。
「……ま、万引き…した事坂田先生に知られちゃって…それで、バラさない代わりに……あ、相手しろって言われちゃって…」
「なっ…」
やはり同意の元ではなかったようだ。
「お前っ…なんでそんな条件飲んだんだよ!それに、なんで万引きなんか…」
「出来心だったんだよ!…俺の家、厳しいだろ?毎日勉強勉強って言われてストレス溜まって…一回だけって思って、手出しちゃって…」
徐々に弱々しくなる声を聞きながらふつふつと銀八に対して怒りが湧いてくる。
確かにこいつのしでかした事は良くないが、だからってこんな脅し方ないだろ!こいつはこれから先ずっとあいつの玩具にされちまうのか!?
いても立ってもいられずその場から立ち上がる。