第10章 告白の言葉
「ちょっ、どこ行く気!?」
「決まってんだろ!銀八のとこ行ってぶん殴ってくんだよ!」
「止めてよ!絶対に止めて!!」
「何言ってんだお前…このままでいいのかよ!?」
「だってそんな事したら万引きバレちゃうじゃないか!推薦消されたら…俺親父に勘当されちゃうよ!それだけは困るんだ!」
八雲が俺の腕を掴みすがりつくように叫ぶ。
「なぁ、頼むよ…トシ。この事黙ってて。俺が卒業するまでの間、我慢してればいいだけの話だから。…お願い」
悲願するような目で俺を見つめる八雲に俺はただただ絶句する。
助けてやりたいのに、どうする事も出来ねぇのか?この事を黙って見過ごせってか?