第10章 告白の言葉
「ご、ごめんなさ…もっ、許して下さ…ぁう!はっ、ぁ!」
聞こえてきた八雲の声に体が固まる。その声は先ほどの苦しそうな声とは明らかに違う。
「ん、あっ!…はぁっ、んっ、ぅ!」
毎晩あいつを頭に浮かべては想像していた声が、ドアの向こうから聞こえていた。
心臓はバクバクと音を鳴らし、その場で固まってしまい動けない。ただその声に全身を熱くさせてしまう。
「ひぁっ!いやっ…ぁ!だめっ、イッちゃ…イッちゃいます…からっ!」
これ以上聞きたくもないのに、体はまるで金縛りにでもあったように動かす事が出来ない。
まるで夢でも見ているかのように八雲の声が遠のえて聞こえる。だがそれは間違いなく現実だった。
「ふぅ…後始末ちゃんとしとけよ」
銀八の声で我に返る。
足音がこちらに近付き、鉛のように重くなった体をどうにか動かし慌ててその場から離れた。