第10章 告白の言葉
八雲と銀八が教室に入ったのを確認し、土方はドアの前に立つ。
ホントはこんなの良くねぇけど、あの様子じゃ本人に聞いても答えてくれねぇだろうしな。
…国語準備室に入ったって事は、ホントにただの頼まれ事か?
そう思い安堵しかけるが、中から妙な声が聞こえてくる。
「や…やめっ…痛いっ」
…八雲?
苦しそうな八雲の声が微かに聞こえ、引き戸を開こうとするも中から鍵が掛けられているのかビクともしない。
仕方なく引き戸に耳を当て聞き耳を立てる事にした。
「いい加減慣れろよ。あと、敬語使おうな?」
今度は銀八の声だ。ドアに耳をつけたまま身を潜める。