第9章 責任とってね
「酔った勢いで婚姻届出すなよ!お前も流され過ぎだろなんだそれぇ!え、じゃあ俺達もう正式に夫婦になってんの?いや夫夫?いや今それはどうでもいい!」
「しょうがないでしょ!銀八さんがグイグイ話進めちゃったんですから!」
一気にまくしたてる俺に、八雲も釣られて声を荒げる。しかし小さく咳払いをすると、すぐにいつもの冷静な態度へ戻った。
「…ともかく、もう決まっちゃってますから。それに俺、銀八さんとこういう関係になるのは嫌じゃないですし」
「…そ、そうなの?」
小さく頷くと、いつもとはまた違う、真剣な眼差しで俺を見つめてくる。
「さっきも言いましたけど、告白されたのは嬉しかったんですよ。銀八さんの事…その、嫌いじゃなかったですし。…けど…」
そこでふと八雲は悲しげに目を伏せた。
「…銀八さんが、嫌でしたら…今からでも市役所行って取り消して貰いましょうか」