第9章 責任とってね
「…いいのか?」
そう尋ねれば、八雲は口元に笑みを作る。だがその笑みはとても悲しげで、耐えているようだった。
「元々、酔った勢いでしたからね。仕方ないですよ。このまま続けたら、貴方を苦しめるだけですから。なかった事にしましょう。その方が…っ!」
腰に腕を回し抱き締めると、八雲は驚き目を丸くさせる。
だが、こんな事を言われて抱き締めずにはいられなかった。
「取り消しになんてするわけねーだろ。…このままでいい」
「でも…」
「酔った勢いだったけどよ、言った事は本当だ。お前の事大事にしたい。…責任とらせてくれ」
原因は最低なものになってしまったが、こいつとこれから一緒にいるのも悪くない。
それに俺が少なからず八雲に好意を持っているのは確かだ。
八雲の肩を掴み、しっかりと見つめ俺は告げる。