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その胸に抱くのは~BLEACH~

第15章 光と桜


そっと髪を撫でようとして手が動かないことに気づく。
目を向ければ手は包帯でベットに縛られ、そこから繋がれた点滴も見える。
昨夜雛森にあった後を思い出した。
ベットの横に置かれたライトに照らされた時計を見る。
あれから数時間は経ってる。




「そっか、私倒れちゃったんだ……」




ポツリと呟く声が聞こえたのか隣の温もりが僅かに動く。
ゆっくりと阿近さんの瞼が上がる。
瞳が動いて気だるげな表情の阿近さんが顔をあげてこっちを見る。
いつもの睨み付けるようなキツイ瞳が……
睨み付けるような……


見る見るつり上がる眼尻と、ビキビキと音をたてそうな見事な青筋が額に……
あれ?
これってめっちゃくちゃ怒ってない?




ガシィィィィ
音がしそうなくらい見事に掴まれました。
頭を……
そのままギリギリ閉められてっ



「痛いっ‼阿近さんっ痛いぃぃぃぃっ‼」

「お前は、霊力もほとんど残ってない状態であんなとこでぶっ倒れてやがって、死にたいのか‼敵に遭遇したらどうするんだ?あぁ!?そもそも、お前は救護の四番隊様じゃないのか?救護される側になってるのはどういうことだ?」



ギチギチと頭蓋骨が軋む音が聞こえる。
ヤバイ、殺される。



「ごめっごめんなさいぃぃぃぃ‼‼」



救護が必要な状態なんで優しくして欲しいっ!
頭蓋骨が砕ける寸前でやっと手を放してもらえた。
涙が浮かぶ瞳で周りを確認する。
書物が積まれた部屋は以前入った阿近さんの部屋だった。




ギシッとベットを軋ませて阿近さんが起き上がる。



「……っ‼‼」



研究者とは思えないほど見事な筋肉美に息を飲む……
じゃないよっ!
なんで裸!?
一気に熱くなる顔を慌てて背ける優姫にお構い無しに阿近は立ち上がって側に置いてあった襦袢を身に付ける。







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