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その胸に抱くのは~BLEACH~

第15章 光と桜


暫くの後、優姫は真央霊術院の新入生として荘厳な門をくぐっていた。


命を落としてまでこの道を開いてくれた人がいた。
その想いに報いるためにここにいる。
この命を捧げて仕えたいと思う人がこの先にいる。
その想いを叶えるためにここにいる。




必ず、死神になる!!





毎日勉学や修行に臨み、1日でも早く死神になるべくすごしていた。
級友との付き合いは苦手で、自分から打ち解けようとは思わないし、必要もない。
良家の子息や令嬢なんだか知らないけれど元孤児で使用人の出自の優姫を見る目はどれも好意的なものではなかったから。
そんなことに悩むよりも知識を得る、修練を積む時間の方がよっぽど有意義だと思えた。




友達も出来ないまま数ヵ月が過ぎた頃、西園寺家が没落したと聞いた。
優姫が入学する際に名ばかりの後ろ楯となっていた為に事の経緯が知らされた。
簡単な話、若様の賭博の借金が膨れ上がり破産したのだ。
これまでは橘さんが上手く立ち回ったり若様を牽制したりして綱渡りのような切り盛りをしていたのかもしれない。
橘さんが手紙に残した『別の方法で解放したかった』とはこの事だったのかも。
橘さんを思えばまだ胸は痛み、苦しくなる。
でも、だからこそ早く死神になりたい。




初めての試験の結果が出た日、上位者に名前を連ねた優姫を見る級友の目が一変する。
見下していた者が自分よりも上位に立つ不快感を露にした彼らからの嫌がらせが始まった。








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