【ハイキュー!!短編集】Step by Step!
第3章 Time goes by【菅原孝支】
また服を着る気力もなくて、お互い裸のまま布団にくるまった。甘い気だるさと静寂の中、ポツリとみなみが問いかける。
「…ねぇ、私がいない間、どうしてた?」
少し考えて俺は答える。
「…淋しくて淋しくて仕方なかった」
「だったら、連絡して欲しかったな…」
「俺だって、欲しかった」
そう言って隣のみなみを抱きしめる。体温が直に伝わってくる。柔らかい肌の感触が気持ちいい。
「…私以外の人と付き合ったりしなかったの?」
「そんなんいないよ」
俺だって心配だった。みなみが俺以外のやつと付き合ってキスしたり、さっきみたいな事をしてるんじゃないかって。
「…そっか」
そう小さく呟き、みなみも俺の胸に顔を埋める。
「私もね、孝支以外の人とは付き合ってないよ」
みなみのことだ、俺と連絡を取らなくなってからずっと一人だったというのは本当だろう。ただ、みなみに言い寄ってくる男はきっといたんじゃないか。
自分でも器が小さいなと思いつつ、俺は聞いてみたくなった。
「…あのさ」
「何…?」
「藤守先生、多分みなみのこと気に入ってると思うんだけど…」
「えっ…?」
みなみは驚いてパッと顔を上げた。
「そうなの…?」
予想が的中して、俺は大きくため息をついた。
「やっぱり…。絶対気付いてないと思ってた…」
「だ、だって…藤守先生にそれらしいこと言われてないし…」
どんだけ鈍感なんだよ、と呆れてしまう。こんな性格で、よく今まで他のやつに騙されないでいたもんだ。
「それを言うなら、」とみなみが反論する。
「孝支だって人気あるんだよ、女の子達に。新しい体育の先生がカッコイイって話、私何度も聞いたもの…」
「ホント…!?やった!」
「もうっ…!」
みなみが俺の胸をペチンと叩く。あまり意地悪すると本気で拗ねそうだなと思い、俺はみなみの背中を優しく撫でた。みなみが気持ち良さそうに身体をよじる。