【ハイキュー!!短編集】Step by Step!
第3章 Time goes by【菅原孝支】
声が少し震えている。俺はベッドの縁に座っているみなみの隣に腰掛け、最後に会ってからだいぶ伸びた髪を撫でた。拒絶されたらすぐに手を引っ込めるつもりだったけど、その様子はない。
すん、と鼻をすすってみなみが顔を上げる。
「…みなみ」
「何…?」
「…キスしていい?」
彼女は一瞬戸惑ったが、「うん」と言ってそっと瞼を閉じた。
俺は唇を重ねた。遠慮がちにみなみが応えてくる。一度離れて、小さく息を吸ったところでもう一度激しく口づける。
舌を絡ませ、その間から甘い声が漏れ、俺は突き上げてくる欲望のまま、みなみをベッドに押し付けた。
「あ…」とみなみがか細い声を出す。それを塞ぐようにもう一度キスをし、耳、首筋へと移動する。かすかに薫る香水の甘い匂いが、俺のわずかに残った理性を掻き乱す。
さっき着替えたばかりのシャツのボタンを外し、ゆっくりと下着を脱がせ、柔らかい乳房に口づけた。指先をふくらはぎから太ももへ、更にその上へと這わす。
「孝、支っ…」
みなみが震えながら俺の首筋に腕を回す。呼吸がだんだん荒くなる。その名前をもっと呼んでほしくて、俺は自らをみなみの中に挿れた。
「あっ、う…」
みなみの身体がビクリとはねる。俺はゆっくりと腰を動かした。
会えない期間も、みなみとずっとこうしたかった。でも忙しさにかまけてすれ違いが続いて、君に確認するのが怖くなったんだ。俺のことを嫌いになったんじゃないのか、って。
言葉をほとんど交わさないまま、俺達は何度もキスをし、何度も抱き合った。会わなかった時間を埋めるように。