• テキストサイズ

狐神~キツネガミ~

第3章 ネムリギツネ


「私達はなにをしていたんだ?」

「さぁ?」

村人には誰1人として記憶が残ってる者は居なかった。妖狐のことも狐巫女のことも、狐神の伝説でさえ記憶にないのだ。

しかし2人だけ、記憶が残っている者がいた。

玲奈と蓮だった。

この2人ははっきり覚えていた。

「なるほど…魔炎百狐か…」

「魔炎百狐?」

「えぇ…記憶を司る妖術よ。私たち以外の村の人達の記憶を消してなかったことにする、所詮馬鹿狐のやることね」

村人達は何がなんだかわからぬまま、それぞれの家に戻った。


「ねぇよかったの?あいつらだけ術かけなくて」

「かけなかったんじゃない、かけられなかったんだ」

優雨はため息をつきながら言った。

「あいつが持ってたペンダントあったろ?あれのせいで術がかかんなかったんだよ。男の方は手応え的に鎮石(しずめいし)、おそらく狐巫女の持ちもんだろ」

「なるほどね、最後まで悪あがきしてくれるじゃないの」

2人は村に背を向け、どこに向かう宛てもなく歩いた。

「これからどうする?西の街にでも向かってみる?」

翠月の提案で、2人は西の街に向かうことにした。
そこで更なる試練が待ち受けていると知らずに………
/ 28ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp