第2章 再会
俺はとりあえず連絡をくれた友人に連絡をする。
「もしもし拓?今店の扉の前におんねん。
俺どうしたらええの?」
拓「あ、もしもし?今出るからそこで待っとって。」
俺は素直に従う。
時間にしたらきっと2分…いや1分…あるいはもっと短かったかもしらん。
ソワソワした気分やからな、めっちゃ長く感じた。
拓「たーしー!お帰り!」
拓はそう言いながら右手をハイタッチの位置に差し出す。
俺らが学生の頃挨拶の時に必ずやった儀式のようなハイタッチ。
懐かしく思い、つい笑みがこぼれる。
「おぅ、ただいま!」
パチン、パチンと軽い音が鳴る。
拓「久しぶやんなぁ! えーっと、今日何時までオッケーなん?仕事大丈夫やったん?」
拓は相変わらずホンマに気遣い屋さんや。
「今日夕方からオフやねん。仕事も上手いこと調整してきたから明後日まで居れる。次の朝の便でまた向こうや。」
売れっ子という自覚はない。
街に出ればそこそこ気づいてもらえるくらいまで成長したけど、まだまだ登ってる最中や。
拓「そっかそっか、なら今日はとことん呑めるな!みんな盛り上がってきてるし、たーしーの登場は驚くだろうな〜先に店員さんにお騒がせするけどスマンって言うとかなあかんなぁ♪」
「大袈裟やで(笑)」
拓「ま、中入りや。」
俺は拓に背中を押されて中に入った。