第1章 出逢い
〜涼side〜
「……………」
俺は、春馬がシャワー室に入って行ったのを確認してから、
彩未がいる2階へと移動した。
彩未の自室に行くと、
扉は開いていて勉強していた。
「彩未」
「…っ!?」
名前を呼んでみると、
本当に気づいていなかったらしく、
肩を盛大に震わせて驚いていた。
久しぶりに“おもしろい”という感覚が
身体に滑り込んでくる。
「い、いつから居たんですか!?全然気づかなかった…っ!」
「今上がってきたところだけど」
俺はそれだけ言い、彩未の勉強机を覗き込んだ。
「…化学?」
俺の得意分野を勉強していて、少し嬉しくなる。
「そうです。課題が終わらないので、」
彩未は、少し頬を赧らめ、
問題を解きながら答える。
「ふーん」
特に興味もなさそうに振る舞ってみる。
まあ、その通りなんだけど。
隣にあったベッドに腰掛け、彩未の
髪の毛をさりげなく触る。
「……っやめてください、変態ですよ」
「…髪触っただけで変態、ね」
と、俺は彩未の腕を引っ張ってベッドに押し倒した。
「ひゃっ……!」
「……じゃあ、もっと変態なことしてあげる」
そして、俺は彩未の唇にキスを落とした。