第20章 ちょっと休憩2
「菊地原。さすがに最後のは言い過ぎだ」
「………わかってますよ」
『お兄ちゃんに謝りなさいよ!』
「ハアッ!?なんで……」
「菊地原」
風間さんに睨まれて菊地原は頭を下げた
「……すみませんでした」
「頭あげろ。いいよ、気にしてねーし」
『お兄ちゃん!』
「いいから」
私はお兄ちゃんに腕を引っ張られてその場から引き離された
太刀川隊の作戦室にはいって手を離される
悔しくなってお兄ちゃん抱きついた
『お兄ちゃんは本当に強いもん………!……お兄ちゃんだから1位なのに……!』
ぎゅう、と腕に力を入れて、額を押し付けるとお兄ちゃんは嬉しそうに笑った
「別に皆にいいように思われてなくてもいいんだよ。夏海はそれでも俺が強いって思ってくれてるんだろ?」
『……うん……』
見上げて頷けば、頭を撫でられる
「なら、いい」
『………でも……私にとっては自慢のお兄ちゃんだもん………。馬鹿にされたくない……』
そう言うとお兄ちゃんは目を見開いたあと目を細めた
「んー、じゃあ、レポート溜めないように努力する」
『…………!』
お兄ちゃんの口からまさかこんな言葉が出てくるなんて思ってなかったため、思わずお兄ちゃんの顔を凝視してしまう
すると、お兄ちゃんはムッとして、デコピンされた
「………お前今ちょっと失礼なこと考えただろ」
『…………えへへ』
「こら、誤魔化すな」
むにっ、と頬を引っ張られた
『おにーひゃん!いひゃい!』
「ぶっ!面白い顔だな」
やっと離してくれたお兄ちゃんはゲラゲラと笑っている
『ひどい、お兄ちゃん』
私はじんじんと痛む頬を押さえながら目で訴えると、優しく撫でられた
「悪い悪い。夏海があんなに怒るなんて滅多にないからな。それが俺のためってことが嬉しかったんだ」
『……だって、あんな言い方は無くない!?』
「ほら、また熱くなってるぞ。落ち着け」
そう言われて無意識に握っていた拳を解く
「じゃあ、俺は会議に戻るからお前はここにいろよ?」
『会議中だったの!?』
「ああ。夏海と菊地原が大声で言い合ってるって聞いたときは驚いたぞ」
『………ごめん。
いってらっしゃい、お兄ちゃん』
「ああ、いってくる」
私の頭を軽くポンポンとして、お兄ちゃんは作戦室から出ていった