第20章 ちょっと休憩2
ソファでおとなしく座っていると、公平が入ってきた
公平は私を見るなり大きく息を吐き出した
「ったく、兄妹揃ってどんだけお互いを好きなんだよ」
『………今日のは私、悪くない』
「そりゃあ、そうだけどさ……。こっちの身にもなれって。歌川と俺がなんであんなに苦労しなきゃなんねーんだよ」
『………フン!』
「……コイツ……!」
『……でも、………お兄ちゃんについていってくれて……ありがとう……』
目を逸らして小さい声ながらも言った言葉に出水は目を見開いた
「…………!
……なんだよ、かわいーとこあんじゃねーか!」
身を乗り出して頭を撫で回す
『ちょっと!やめてよ!』
「照れんなって!」
(やっぱり、この兄妹は嫌いになれねーな)
照れて逃げる夏海を見ながら思う出水だった