第17章 相棒――迅悠一(中)
だが
『甘いね。旋空弧月』
夏海は空中ながらも三輪に向かって弧月を振る
「…………ぐっ………!!」
三輪は辛うじて避ける
出水と夏海も地面に降り立った
そこに夏海を狙って当真が狙撃するが夏海はそれを弧月で弾いた
「マジかよ…………!?」
『合成弾の名手…………出水くん?』
「………は、はいっ!」
ニコッ、と笑いかけると出水は背筋を伸ばし返事をした
『頑張って避けてね?』
「…………は?」
『バイパー+メテオラ、トマホーク!』
「ヤベッ!!」
一瞬で合成されたトマホークを見て出水と三輪は瞬時にその場から飛び去る
出水たちがついさっきまでいた地面にトマホークが炸裂し、土煙が上がる
出水たちは足を止めることなく夏海たちから離れる
やっと逃れたと思ったら弧月を構えた夏海が三輪に斬りかかった
ギィィン
とっさに弧月を構えた三輪は何とか夏海の弧月を受け止める
が、体制が悪くだんだん後ろに押されていく
「…………三輪!!」
『………おっと……?』
「………!?」
夏海はいつでも三輪を撃ち抜けるように弾丸を体の周りで旋回させる
「入る隙がないな………流石だ、夏海」
嵐山たちは当真の斜線をきるために路地裏に入っていた
「嵐山さん。あの人はいったい…………」
「夏海は迅の相棒だよ。太刀川さんと同じくらいの強さだ。まぁ、夏海はランク戦には参加してないけどな」
「………太刀川さんと………!」
「あぁ。木虎。ここではなにもできなくても違うところにいけば出来ることもある」
「…………!」
「当真をやるぞ」
「…………っはい!」
嵐山は佐鳥と綾辻に連絡を取り当真をやるために動き出した
「……………もう、俺たちが足止めされてるな………」
『私はもっと暴れたいんだけど、嵐山がいるからね。むやみに家が壊せない』
「…………あんたは何が目的だ?」
『……………目的ねぇ…………』
夏海は三輪の弧月を弾き旋空で追い討ちをかける
『…………私は悠一の手伝いをしてるだけだから、いまいち内容はよく知らないんだよね』
「…………ふざけるな!!そんな理由でネイバーを匿うと言うのか!?」