第17章 相棒――迅悠一(中)
夏海は夜の町、といっても警戒区域だが久し振りの外を呑気に歩いていた
しばらく歩くと、迅と嵐山たちの後ろ姿、風間や太刀川たち城戸派が対峙しているのが見えてきた
「嵐山たちがいればはっきり言ってこっちが勝つよ。俺のサイドエフェクトがそう言ってる。………………それにもう一人―――――」
『あれ?私遅かった?』
「!?」
「朝霧!?」
声を発すると、太刀川たちが驚いて声をあげた
「夏海!」
嵐山やとっきーは驚きながらも笑顔になり、悠一はやっときた、と呟いていた
『嵐山たちはこっちの味方?』
「夏海説明したでしょ……!」
『聞いてない』
迅は呆れてため息をついたが夏海は無視した
「夏海久しぶりだな!元気だったか?」
『元気元気!嵐山も相変わらずだね。とっきーも。…………あれ?佐鳥は?』
「賢も来てるよ。夏海さん久しぶりです」
『………そっちの子は?』
「木虎藍。うちの新エースだ」
『……………ふーん……………まあ、よろしく、虎ちゃん』
「……虎ちゃん!?」
「木虎、反論するのはあとね」
「………はい」
呼び方に不満を感じたが、今やるべきことを考えて、我慢する
「朝霧、なぜお前がここにいる?」
『何でって言われても…………ねぇ?風間さん』
「ふざけるな!!あんたもネイバーを匿うつもりなんだろう!?」
『……………五月蝿いな………。あんたには聞いてないんだけど?』
「「「!!??」」」
ビリビリと肌を突き抜けるような殺気に思わず味方の木虎まで後ずさりした
『…………っていうか、私そのネイバー?に会ったことないしねー』
さっきの表情とは裏腹に笑顔で言う夏海にその場の半分が恐怖を覚えた
だが、もう半分は驚くことはなく、平然としていた
そして、その半分のうちの一人、太刀川は笑っていた
「夏海、もしかしてお前とやれるってことか?」