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ワールドトリガー【中・短編集】

第17章 相棒――迅悠一(中)


『聞いてる聞いてる。……っていうか私たちに作戦なんて必要ないでしょ?』

その言葉に迅は驚いたあと笑顔になった

「それもそうだな」

『私たちは相棒だし』

「ああ!」

迅は時間だけ伝えて部屋から出ていこうとしたが、振り返って言った

「遅れるなよ?」

『………………』

すでにベットに横になっている夏海は目を瞑った

「…………全く…………」

迅はベットに歩み寄り、夏海に布団を被せた

すると、夏海は目を開いた

「…………あ、待っ………」

未来が視えて咄嗟に身を引くがすでに遅い
夏海は迅の腕を掴んで布団に引きずり込んだ
迅の頭を胸に抱き、髪を優しく撫でる

「…………ちょっと夏海………?」

お互いに抱き合うような体制になっていることに顔を染めながら迅は夏海に声をかけた

『……………悠一の決意はしっかりわかったから…………』

「!!」

迅は身体を強張らせた
それを解きほぐすように尚も優しく包み込む

迅は夏海の背中に腕を回し、ギュッと抱き締めた

だが、それは一瞬で迅はベットから出た


「なら、遅れないようにしてね」

『………了解』

迅は振り返ることなく部屋を出ていった





『三輪隊………って誰だっけ…………?』





その呟きは誰の耳にも届くことなく空気中へと消えていった

『…………ま、いっか』


夏海は迅に伝えられた時間の30分前に目覚まし時計をセットし、先ほど読んでいた漫画を手に取った









チリリリリリッ

セットしておいた時計を止めてトリオン体になる
そのトリオン体も周りのひとから見たら異常だった

漫画のキャラクターが、迅とお揃いのアウターの裏地にびっしりとプリントされているのだ
初めはそのプリントが表にされていたが、玉狛の隊員の説得により裏地へとプリントされることになった


夏海は、窓を開けた



そして、窓に手をかけ、外へと飛び出した



『久しぶりの外だ。楽しませてね、太刀川、風間さん!』




夏海の姿はあっという間に夜の闇へと消えていった




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