第2章 素直――太刀川慶
太刀川side
夏海に好きな人!?誰だ!?
しかも身近なやつって誰だ
まさか二宮とかじゃないだろうな!?
俺は夏海の腕を引きながら考える
『太刀川!』
その声に俺は我に返った
『腕………痛いよ……』
ふと見るとだいぶ力が入っているのがわかった
「わ、悪い!」
パッと離す
『どーしたの?急に飛び出してきたけど』
俺は一瞬ためらったが聞いた
「お前の好きな人って誰だ?」
なるべく優しく聞く
するとカァッと顔を赤く染めてブンブンと横にふった
『言えないよ!そんなこと……!』
俺はそれがムカついた
そんなに好きなのか!?誰なんだよ!!
俺は夏海の肩をつかんで、無理やりキスをした
開いた口の間から舌を侵入させる
『………んん!?
……んっ
…………んぅ……んぁ……』
だんだん息が上がってきた夏海を離した
「俺はお前が好きだ!他のやつになんかやらない!」
離した直後にそういい放った
夏海は泣き出してしまった
自分のしたことを責めた
「わ、悪い!怖かったか?」
泣いているのはキスをしたせいだと思っていたが夏海は何故だか首を横にふった
『バカ………私が好きなのは太刀川だよっ!!』
といってギュッと抱きついてくる
「…は…………?」
(夏海が、……俺のことを……好き…………!?)
「落ち着け、俺……。そうだこれは夢だ!そうでなけりゃ夏海が、俺を好きだなん……ん!」
言い終わる前に俺の口は塞がれた
目の前に夏海の顔がある
夏海は必死に舌を絡ませてきた
やっと離れたと思ったら胸に顔を押し付けてきた
『夢じゃないもん……』
ギュッ
俺は力一杯夏海を抱き締めた
苦しいよ…と夏海が呻く
俺は力を抜いて抱き締めた
夏海も俺の背中に腕を回して抱きついてくる
好きだ……夏海
俺たちは見つめあって唇をあわせた
おわり
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