第68章 俺様―――出水公平
「あ~お帰り~~。お~?いずみんもおるんか~?」
そうゆったりとした関西弁で話すのはアタッカーの五十嵐さん
ソファから体を起こしたからさっきまで寝ていたのだろうか
その証拠にアイマスクが額にある
「どうも」
『ただいま颯ちゃん。皆は?』
「ん~」
俺と夏海さんは五十嵐さんが示した先に目を向けた
すると、3DSで対戦している二人
と、それが終わったのかバッとこちらを向いた
「お帰りなさい先輩っ!」
オペレーターの棚木先輩が夏海さんに抱きつく
そして………
「先―――――あーーっ!いずみん!お前また夏海さんとのマンツーマンか!?」
スナイパーの津久田先輩は、物凄い勢いで俺の前まで来たかと思ったら、肩を揺さぶる
「は、はい……」
「ずるいぞ!お前ばっかり!先輩!俺ともマンツーマンで―――」
『公平は弟子だからマンツーマンで指導するに決まってるでしょ』
「そうやぞ~。もういい加減毎回それ言うのやめん~?それにポジション違うやん」
まったりとした五十嵐さんが大きなあくびをしながら言った
…まさかこの人が戦闘になるとあんなことになるとは思いもしないだろう……
『つっくんもあやちゃんも同じ部隊じゃない。ずっと一緒でしょ?』
「先輩っ…!」
「大好きです!先輩!」
子供のような二人を母親のような眼差しで優しく見守る夏海さんはきっといい母親になるのだろう
「うまく丸め込んだなぁ」
「ですね」
『じゃああやちゃんいつものよろしく』
「はいっ」
朝霧隊の訓練室に入る
『んじゃあやろっか』
「はい!」
そして、いつものように夏海さんとの訓練が始まった