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ワールドトリガー【中・短編集】

第60章 猫―――風間蒼也


朝起きると猫が枕元で俺を見ていた

撫でてから起き上がり洗面所に行くと一緒についてきて、顔を洗っている間もすり寄ってくる

(……腹が減っているのか?)

よくわからないが、キャットフードはないため皿にパンと水をいれて床におく

すると、嬉しそうに食べだしたため、自分も昨日買っておいたものを食べる

服を着替え鞄をもって家を出ようとすると猫が玄関まで駆け寄ってきた

「大人しくしてるんだぞ。すぐに帰ってくるからな」

『にゃあ』

甘えるような声でなくのを確認してから家を出る

大学で諏訪たちに合い、夜のことを確認して講義を受け本部に向かう

嵐山には事前に連絡をいれておいたため、本部に行くとすぐに時枝と合流できた

「こんにちは、風間さん」

「ああ。急に悪いな」

「いえ。それで、猫の性別ですよね?」

「ああ。初めて飼うからわからなくてな」

「風間さん。もしよかったら猫、見せてもらってもいいですか?」

「……!」

時枝は無表情に見えるが、いつもより目が輝いていた

「勿論構わない。だが、キャットフードを買うのに付き合ってくれないか?」

「勿論です」

そのあと時枝を家に招くと、最初は警戒していた猫だったが、次第に慣れて時枝が言うにはメスだそうだ

キャットフードを買いに行き、これがいいと言われたものを買った

「ありがとうございました。楽しかったです」

「いや、礼を言うのはこちらだ。助かった。また何かあったら頼む」

「はい。では、僕は本部に戻ります」

「ああ。ありがとう」

「いえ」

時枝は一礼すると本部の方に歩いていった

俺はキャットフードを持って家に帰った

「ただいま」

『にゃあ』

時枝がいないことがわかったのか、近寄ってくる

すると、猫の名前がすっと頭に浮かんだ

「お前の名前はこれから夏海だ」

『にゃう』

夏海は目を細めると足にすり寄ってくる

気に入ったようで少し安心した俺は諏訪たちが来るまで少し家を片付けることにした

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