第60章 猫―――風間蒼也
『………っ』
目を瞑っていると、水が止まりタオルで優しく水分を拭き取られる
「お前、白かったんだな」
ふっ、と笑って私を撫でる風間は今まで見てきた人間とは違う気がした
そんな風間にお礼の代わりに私は私を撫でる風間にすり寄った
その事に風間はまた笑うと私を抱き上げてこの部屋を出ると、机とかがある部屋に下ろした
キョロキョロと見渡していると風間がしゃがんだ
「ここが今日からお前の家だ」
『……にゃあ』
どうやら風間は私をこの家に置いてくれるらしい
「好きにしていいからな」
『にゃあ』
風間はまた私を撫でるとソファに座りスマホを触り始めた
風間の言葉に甘えて家の中を探検してみる
初めて人間の部屋に入るが、とても整頓されていた
ベットがある部屋に入ると、本棚にはたくさんの本が並んでいた
少し居づらくて風間のもとに戻る
風間から少し離れてソファに座ると風間はスマホの文字を打つのに集中していた
ずっと座っていると、眠くなってきたため瞼を閉じた