• テキストサイズ

ワールドトリガー【中・短編集】

第58章 猫化―――太刀川慶


夏海は俺を浴槽の縁に座らせると自分の体を洗い始めた

人間だったら、俺が洗ってやるのに……

そう思いながら見ていると夏海と目があった

『見すぎ』

頬を赤く染めて言う夏海を見てきっと人間の俺だったら鼻血が出ていただろう

「ふにゃあ」

しかし、ここは特等席だ
下から見上げると夏海が動くたびにその豊満な胸が揺れる

夏海は呆れたように俺を見ると手早く洗い終え浴槽に浸かった

ちなみに俺は温度が低めのお湯を張った洗面器の中で夏海と向かい合っている

『これ、明日までに戻らなかったらどうするの?』

「………」

どうしよう……全然考えてなかった

『もう、自分のことなんだからちゃんと考えて!
私だって困るんだから。

……そのっ……慶に……抱き締めてもらえないし……』

「にゃあぁおぉぉぉ」

やめろォ………
お前は俺を萌え死にさせる気か……!!


『と、とにかく!今日は早く寝て戻ってなかったら明日また考えよう!』

「にゃ!」

俺が頷くと夏海は俺を抱えて浴室を出た

夏海に体を拭いてもらい、夏海の着替えが終わるまで待っていようと思っていた俺だが、急に眠気が襲ってきた

「ふにゃあ……」

『慶?眠たくなってきた?じゃあ、もう寝ようか』

夏海は俺をベットまで運ぶと俺を撫でながら布団に入った

『おやすみ。慶』

「………にゃあ………」


俺は夏海に擦り寄り目を閉じた


/ 345ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp