第55章 ちょっと休憩7(完結)
――――風間隊
「お疲れさまです、風間さん」
ベイルアウト室から出てきた風間を三上が迎える
「すまなかった。俺が太刀川を落とせれば……」
「いえ、俺たちも唯我に時間がかかってしまって……」
「いや、お前たちが気にすることじゃない。
まあ、反省は後だ。太刀川たちが一本勝負のランク戦をするらしい」
その言葉に知らなかった三人は目を見開く
「え!?ほんとですか?」
「ああ」
「ていうか、あと人大丈夫なの?前半はいつも勝てないじゃん」
「夏海が心配か?」
「そんなんじゃないですよ」
ふい、と顔を背ける菊地原を見て少し笑う風間は隊員を連れて作戦室を出てランク戦を見に向かった
「心配しなくても、いざというときは強いからな」
「そうですね」
――――太刀川隊
「お疲れ~」
「夏海、躊躇わずに俺のことぶった斬ったな」
『やだ、公平。私が躊躇うとでも?』
「ムカつくぜ」
「こらこら~喧嘩しな~い」
『はーい。あ、そんなことより唯我ごめんね。カバー出来なくて』
「いっ、いえ!」
「ん?お前今日どした?らしくねーぞ」
「確かに。途中からおかしかったな」
「おかしいってなんですか!いつも通りですよ!」
「そーだ、それだよ」
「……あ……」
「まあ、何にせよ。勝ったんだ。皆お疲れ」
そうお兄ちゃんが締めて私を見た
「夏海ランク戦……するだろ?」
『する!』
出水と唯我は米屋たちのところに行き、太刀川兄弟はそれぞれブースに入った
「んじゃ、準備はいいか?」
『うん』
少しすると転送され、市街地の風景の中にいた
目を閉じ、ゆっくり深呼吸をして弧月に手をかける
今まで勝負してきたけど、一本目や二本目でお兄ちゃんに勝ったことはなかった
けど、いつまで経ってもそのままじゃダメなんだ
最初から勝てないと私はいつまでも成長出来ていないということ
だから、今回は絶対に勝つ!
私の強さを証明するためにも