第55章 ちょっと休憩7(完結)
「出水先輩まで来た……!」
「《風間さんは多分もう援護にこれないよ》」
三上からそう言われ菊地原と歌川は目をあわせた
“唯我だけでも……落とす”
言葉はないが、二人とも同じことを思っていた
二人はカメレオンを起動し建物に身を隠す
そして、バッグワームを起動して次の攻撃に備えた
出水が放ったであろうメテオラが建物を粉砕する
その煙に紛れて二人は唯我の背後に迫った
『唯我!!』
「うわあっ!」
ガキッ
「チッ……」
菊地原の攻撃は止められてしまう
しかし、その隙に歌川は唯我のトリオン供給器官を貫いた
「くそっ、バイパー!」
出水のバイパーを避けまた距離をとる
《トリオン体活動限界 ベイルアウト》
機械的な声が響いて唯我がベイルアウトする
「おい、夏海」
『?』
「作戦がある」
『わかった』
夏海はバッグワームを起動して出水の後ろに下がり建物に身を隠した
「どういうつもり?」
「もちろん、お前らに勝つつもりだよ。
―――バイパー+メテオラ、トマホーク!」
残りのトリオンをすべて使いきるような攻撃だが、その攻撃は確かに風間隊の二人を追い詰める
「ぐっ……」
(まずいっ……)
フルガードをしても徐々にシールドにヒビが入る
と、その時、わずかに攻撃が弱まった
「!!」
その瞬間を歌川は見逃さず出水に攻撃を仕掛ける
(………来た!頼むぜ夏海!!)
出水はニッと笑い、再度構える
「アステロイド+アステロイド、ギムレット!!」
歌川が目の前に迫り、そのスコーピオンが体を貫く本の少し前、出水は弾丸を放った
そして、その弾丸は菊地原のシールドを破り体を貫き、また出水も体を貫かれた
そして、夏海はその出水ごと歌川を斬った
「なっ……!?」
「ナイスだ……夏海」
『当たり前でしょ、公平』
ドンドンドンッ
と、ほぼ同時に三人がベイルアウトし弧月を鞘に納めたとき、もうひとつベイルアウトする光が見えた
(どっち……?)
「よくやった夏海!」
『お兄ちゃん!』
太刀川が残っていると言うことは……
『私たちの勝ちだーー!!』