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ワールドトリガー【中・短編集】

第53章 サボり―――当真勇


ある日の防衛任務終わり
スナイパーの合同訓練がある当真を待っていた

まだかとソファに座って待っているとぞろぞろとスナイパーたちが出てきた

「あ!夏海さん!」

『おー、久しぶりだな賢』

出てくるなり走ってくる賢は座っている私の横に座った

「お久しぶりです!!聞いてください!オレ2位だったんですよ!」

『おーそうかそうか!うまくなったな!それに元気だなーお前』

「はいっ!バリバリ元気ですよ!」

どんどんハイテンションになっていく賢を取り敢えず落ち着かせるために頭を撫でる



「おい、夏海」

『う……』

頭に顎を乗せられて呻く

『重いバカ』

当真はついでに後ろから腕を回して私の前で組んだ

「何話してんだ?」

「と、ととと当真さん!」

さっきよりも当真の体重がかかってかなり首がきつい
当真はトリオン体だが私は生身なのだ
そこをちゃんと理解してほしい

『賢は何でそんなに慌ててんの?てゆーか暑いしほんとに重い』

「うわー、重いとかひでーな。もーちっとオブラートに包んで言えよ」

『んー、じゃあ、首が疲れるからどいて』

「うわっ!そんな嫌そうな顔すんなよ」

けらけらと笑いながら離れた当真を少し睨みながら肩と首を回す

「あのっ当真さんと夏海さんて付き合ってるんですか?」

「そうそう」
『違うよ』

「!?!?」

『何言ってんのよ、当真』

「今からオレの女になるんだろ?」

『……はい……?……何言ってるのかな?』

何でもないように当真の言った言葉に体が固まる

そして、それに追い討ちをかけるように当真が続けた



「ん?俺は夏海が好きだぜ?」

『……へっ!?』

「…なっ……!?」

「気づいてなかったのか?
好きでもねーやつと何回もラーメンなんか食いにいかねぇだろ」

『……それは、私もラーメンが好きだからだと……』

「じゃあ、後ろから抱き締めたりしねーだろ?」

『……それも当真なりのスキンシップなのかと……』

「……お前、どんだけ鈍感なんだよ……」

本気で呆れたような目を向けられて焦る

『だって……!!』

「あーはいはい。そういう鈍感なところも好きだぜ」

『……すっ……!?』

見つめられて顔が熱くなってくる
思わず視線をそらすとその先で当真がまた視線をあわせてきた

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