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ワールドトリガー【中・短編集】

第52章 復讐―――三輪秀次


真っ暗だった空が晴れ、人型ネイバーはいなくなった


しかし、未だ、三門市にはトリオン兵が残っていた


そして、その驚異が夏海に迫ろうとしていた







遠くに、大きなネイバーが見えた

必死に足を動かして逃げる

「うわーん!!」

そのとき、何処かから泣き声が聞こえた

『!!』

足を止め、回りを見渡す
すると、瓦礫の向こうで小学生低学年ぐらいの女の子が地面に座っていた

『大丈夫!?』

「痛いよー!うっ……ううっ……」

その子の体を見ると左足を怪我していた

『大丈夫!お姉ちゃんがおんぶしてあげるからね!』

「……うん」

その子を背に背負い、走り出した

しかし、それまで逃げるために走っていたからだはすでに悲鳴をあげ始めていた

『はぁはぁっ…』

「お、お姉ちゃん、大丈夫?」

『大丈夫だよ。君は何としてでも守るからね!』

そう言って後ろを振り返ったとき、大きなネイバーと目があった

そのネイバーは私たちの姿をとらえると、砲撃してきた

「きゃあっ!!」

『きゃっ!!』

間一髪で避けれたものの爆風で吹き飛ばされてしまう

しかし、この子だけはと思い、ネイバーからは見えないところに隠した

『いい?お姉ちゃんがあれを引き付けるから、合図したら反対側に走って!静かに、素早く。わかった?』

「お、お姉ちゃんは……?」

『大丈夫!気にしないで。必ず守るから』

不安そうな顔をする女の子の頭を撫でる

『頑張ろう?』

「……うんっ!」

頷いたのを確認して私はネイバーの前に出た

そして、女の子の方とは逆の方に走り出す

『こっちに来い!ネイバー!!』

ネイバーは私の方に体を向かせついてきた

あの子を守るため、そう思ったら、足は自然と動いた

逃げて、逃げて、女の子が見えなくなったとき私は叫んだ

「逃げて!!!」

届いただろうか、しかし、まだ油断はできない

さらに、スピードを上げようとしたとき躓いてしまった

『あうっ!!』

瓦礫の上に倒れ込み、振り返る

すると、ネイバーの目のようなところに光が集まった





ヤバイ…………


…………死ぬ……

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