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ワールドトリガー【中・短編集】

第52章 復讐―――三輪秀次


『……基地の方が………真っ暗………』

突然、ボーダー本部基地の周りの警戒区域内に見たこともないぐらいの大量のゲートが開いた

何が起こっているのかわからないでいると、陽介と公平が私のところに来た

「夏海っ!絶対にあそこに近づくんじゃねーぞ!!みんなと一緒に逃げろ!」

「先生!!ここから避難してくれ!ネイバーがくるかもしれない!」

そう言うと、クラスの人たちは悲鳴をあげ走っていった

「じゃあ、俺たちは行くからな。無事でいろよ?」

「行くぞ、弾バカ。夏海、じゃあな」

『いってらっしゃい、気を付けてね』

そう言うと、陽介は私の頭を撫でた

「心配すんな」

「「トリガー起動!!」」

二人は制服とは違う服装に変わり、窓から飛び出していった

『えっ!?』

慌てて窓の下を見ると、二人は余裕で着地し走っていってしまった

『………頑張って』

二人を見送り、振り返る

「………何してる?」

『秀次』

秀次も服装が違い、陽介のものと同じだった

『秀次も……行っちゃうの?』

「……ああ……それが仕事だからな……ネイバーは俺が始末する………」

『………』

“復讐”その言葉が今の秀次にはピッタリで

それが怖かった

「…ぜ……に……ろ…」

『……え?』

「絶対に無事でいろ」

『…!うんっ!』

「わかったなら早く逃げろ」

そう言って、秀次は私の背中を押した

そのまま足を動かすが、振り返った

『気を付けてね、秀次』

「ああ」

秀次は少しだけ微笑んだ

それをみて私は走り出した
視界の端で秀次が窓の外へ飛び出すのが見えた


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