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ワールドトリガー【中・短編集】

第44章 クリスマス――――太刀川慶


体がぽかぽかと暖かくなってきて目を開けた

すると、そこには、いるはずのない慶が私を抱き締めて眠っているではないか

そうか、コレは夢だ
にしても、夢にまで慶が出てきてしまうとは私はかなり重症らしい
それとも、酒を飲んだせいで頭がおかしくなったか?
いや、目がおかしくなったか?



…………そんなことはどうでもいい

せっかく夢に出てきてくれたのだ
夢で少しくらい甘えたってバチは当たらないだろう


私は慶の癖ッ毛に手を伸ばし、感触を楽しむように撫でた
手を移動させて頬を撫でると慶はくすぐったそうに身を捩る

ゆっくりと顔を近づけ、まだ気持ち良さそうに眠っている慶にキスをした

何度も角度を変えてキスをする

「……ん……夏海………?」

目を開けた慶は何が起きているのか理解できないのかきょとんとしたあとふっ、と笑った

「どうした?欲求不満か?」

『………ううん、違う。………そんなんじゃないけど………寂しかった………』

慶にすり寄ると頭を撫でられる

「夏海が甘えるとこなんて始めてみた」

『………だって夢だから………。……醒めなきゃいいのに……』

「………コレが夢?………なら、何しても許されるわけか……?」

と言うなり、私は慶に組み敷かれていた

『……あれ………慶……?』

「夢かどうかじっくり確かめてやるよ」

そういった慶は私の額にキスを落とした


あ、あれ………?
夢じゃないの?

確かに夢にしてははっきりしすぎている………

自分の頬をつねってみると物凄く痛かった
夢じゃないと自覚すると私のしたことを思い出す

『……………!!』

恥ずかしくなってキスをしようとしてくる慶を押し返した
素早く掛け布団を手繰り寄せて隠れるように被る


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