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ワールドトリガー【中・短編集】

第6章 幼馴染み――影浦雅人


目が覚めると、目に入ってきたのは俺の部屋の天井だった

だが、それはおかしいことに気がついた
俺の記憶では玄関で倒れてしまったはずなのだ
だが、…………と思い俺は夢だったのか……と納得した

だが、その考えも次の瞬間壊れた

額に何かが乗っていた
それを取り体を起こすと、その正体はタオルだった
近くには桶がある

(誰だ…………)

そう思い視線をあげると、少し離れたテーブルに夏海が、突っ伏して寝ていた

(夏海が?俺を看病したのか…………!?)

考えていると夏海がモゾモゾと動き目を覚ました
そしてこっちを向いてほっ、と息をついた

『良かった。目が覚めて………お粥作ってあ「帰れ…。」え?』

「今すぐこの家から出ていけ!!」

喉が痛んだが、気にせずに叫んだ
夏海はビクッと体を強ばらせた
だが、動く気配がない
俺はそれにイラついた

「さっさと出ていけ!!お前の顔なんてこっちは2度と見たくねーんだよ!!」

『……………ご、ごめんなさい………。

帰るね……。
でも、キッチンにお粥があるから少し暖めて食べて?』

そういって夏海は部屋からでていった
少しすると玄関のドアが開いて閉まる音がした

「クソッ………………」

俺は手の中にあるすっかり乾いたタオルを力一杯握った

「どうして…………俺の心配なんかするんだよ……………!」










俺はずっと昔から夏海のことが好きだった
誰よりも大切だった
夏海がボーダーに入隊したときは俺の隊にいれる予定でいた

が、それは叶わなかった

俺が廊下を歩いているとき、曲がり角の向こうからたまたま聞こえた

「俺さぁ、影浦嫌いなんだよな」

「俺も俺も」

よくあるため、俺は特になんとも思わなかった
ただ、舐められるのは気にくわないが
そのまま歩いていこうとしたが、次の瞬間息が詰まった

「誰だっけ………?………そうそう!朝霧!!
あいつを痛めつけようぜ!
そうすれば影浦だって何も言えねーよ!」

「それなら、無理矢理ヤっちまおうぜ!」

「いーな!それ!朝霧結構美人だし、スタイルいいからな!」




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