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ワールドトリガー【中・短編集】

第6章 幼馴染み――影浦雅人


夏海side

私たちは幼馴染みという関係だった
だけど、私がボーダーに入ってから少したったある日雅人に突き放された

私は必死に雅人に訴えたが聞いてもらえず、最初の方は睨まれていたのも、最近は視界にも入れなくなっていた

だが、今日雅人の隊の北添くんから雅人が風邪を引いた、と聞いた
おばさんたちは一週間ほど出張でいないらしい


私は居てもたってもいられなくなって、急いでスーパーで食材を買い、雅人の家に向かった


私が雅人に嫌われているということも忘れて……


私は雅人の家のインターホンを鳴らした
もしかしたら出てこないかもしれない、と思ったが雅人は出てきた


「誰だ………………」

ダルそうにして出てきた雅人の声は一瞬でわかるほどかすれていた

『ま、雅人…………大丈夫?』

遠慮がちに言うと、雅人は顔をあげた
その顔には驚きの色が混じっていたが、すぐに消え、睨まれた

「夏海……………何しに来た。…………今すぐ帰れ……」

嫌われているということをすっかり忘れていた私は、怖くなったが笑っていった

『雅人……無理しないで………?』

「お前には関係な………………」

雅人は私を突き放す言葉を言おうとしたが、最後まで言えなかった
雅人の体は前に傾いていった

バタッ

私は咄嗟に雅人に手を伸ばして、雅人の体が床につく前になんとか支えた

『雅人っ!大丈夫!?』

大きめの声で声をかけるが、雅人は苦しげに息をするだけで、返事はなかった

私はなんとか家の中にはいって、玄関に荷物をおき、雅人の部屋まで運んでいった
雅人をやっとの思いでベットに寝かせ、私が持っていたタオルを濡らして雅人のおでこに当て、お粥を作った


作り終わって雅人の様子を見ると、ついさっきおいたタオルはすでに乾いていて、汗が出ていた

私は洗面所にいってタオルを何枚かとってきて桶も持ってきた
その桶に水を張って、タオルを濡らして絞りさっきと同じようにおでこに当てた

そして、濡れていないタオルで、雅人の汗を拭き取った


それを何度かしているうちに私は眠ってしまった








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