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ワールドトリガー【中・短編集】

第43章 ちょっと休憩5


《夏海ちゃん!これで最後だよ!》

『了解です!行くよ、唯我!』

「わかってますよ!」

唯我が弾を打って注意を引き付け、私が止めをさす

今日は唯我と二人で行動している
私と唯我は東、お兄ちゃんと公平は南東を中心に防衛任務についている
いつもならお兄ちゃんか公平と組むが、あの事件以来、お兄ちゃんとは会話をしていない

ズバッ

『柚宇さん、公平たちは?』

《向こうも今終わったとこだよ。交代の時間だからこっちに戻ってきて~》

『わかりました』



基地のなかに入る前にお兄ちゃんたちと合流した
お兄ちゃんが何か言いたそうにしていたが、私は公平の隣に並んだ

『あのさ、公平。今度射撃トリガーの使い方教えてよ』

「え?何?お前、ポジション変えんの?」

『ううん。違うよ。ただ、戦い方の幅を広げたいだけ』

「俺の方はいつでもいいぜ」

『なら、暇なとき付き合ってね』

「おう」

そんなことを話しているうちに隊室についた

「んじゃ、解散、お疲れ」

お兄ちゃんがそう言って私を見る

「夏海―――」

『じゃあ、私はこれで。予定があるから』

お兄ちゃんの顔も見ずにそう言い放って隊室を出た
そして、ある人に電話をかける

《もしもし夏海?》

『うん。今防衛任務終わったよ』

《わかった。じゃあ―――》

待ち合わせの場所を確認して足早に本部を出た




「………………」

夏海と会話すらできていない太刀川さんはがっくりと肩を落としている
それに追い討ちを掛けるようだが、言った方がいいだろう

「太刀川さん。前本と付き合った人たちから聞いたんすけど………」

「……何だ……?」

「……みんな共通して付き合ってから二週間目の土曜に家に連れていかれたらしいです……」

「何!?今日は………」

太刀川さんの顔が段々青ざめていく
と思ったら、隊室を飛び出していった

「あっ、家の住所!」

太刀川に家の住所を教えていなかった出水は慌てて電話をかけた

《何だ!?出水!》

「太刀川さん!前本の住所は――――」

《助かった!ありがとう!》

太刀川さんはそう言って電話を切った


出水としても、このまま夏海が無理矢理されるのは気に食わない
それに、早くいつも通りの兄妹に戻ってほしい


頼むぜ………太刀川さん!

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