第43章 ちょっと休憩5
《もしもし、太刀川さん?》
『前本くん、さっきはごめんね』
《ううん。平気だよ。お兄さんに愛されてるんだね》
『……うん。普段はいい人なんだけどたまにこういうことがあって……。
…………それで、……返事のことなんだけど……』
《………うん》
『………私……付き合ったことないから………いろいろわからないこといっぱいだけど……私で良ければ……お願いします……』
《………本当!?ありがとう!すごく嬉しいよ!
じゃあ、夏海って呼んでもいいかな?》
『うん』
《じゃあ、俺のことも宏樹って呼んで》
『わかった』
《じゃあ、また明日ね。夏海》
『うん、また明日宏樹くん』
電話を切ってスマホを握りしめる
初めて告白されてとても嬉しかった
けど、それをお兄ちゃんが勝手に断った
本気でお兄ちゃんに対して怒ったのは初めてかもしれない
喧嘩もしたことがなかった
だが、今回はお兄ちゃんが悪い
その時、手のなかでスマホがゆれた
『……お兄ちゃん……』
あんなことをしておいてよく電話を掛けてこれるね
私はスマホを机の上に置いてベットに潜り込んだ
………お兄ちゃんなんて嫌いだ……