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ワールドトリガー【中・短編集】

第43章 ちょっと休憩5


「……な、何だよ………あいつ……」

作戦室に入ろうと思ったらいきなり夏海が飛びだしてきて、そのまま走っていった

「太刀川さん、今夏海が――――」

「……だ………大嫌い………大嫌いって言われた………!」

「――――――ちょっ、何があったんすか!?」

「………出水!どうしよう!俺……………!」

「落ち着いてくださいっ!何があったんすか!?」

「………実は……」


夏海が出ていく少し前、夏海のスマホに電話がかかってきた
それに出た夏海は少しして顔を赤らめた

その流れだけで大体何の話なのか見当がついた俺は夏海からスマホを取り上げた

『あっ』

「もしもし」

《え!?も、もしもし?ちょっ、男持ちなんだけど!》

「あ?どういうことだ?」

《いえ!何でも!》

『お兄ちゃん!返して!』

最初は夏海を他の男に渡したくなかったから電話に出たが、その男の最後の言葉が引っ掛かった

「お前、名前は?」

《あ、前本宏樹です》

「そうか、前本か。俺の妹はお前とは付き合わん」

『お兄ちゃん!?』

夏海の制止を振り払ってそのまま電話を切る

『お兄ちゃん!ひどいっ!』

「夏海、さっきのやつは―――」

『お兄ちゃんのバカッ!大っ嫌いっ!!』

「おい!夏海!!うぶっ」

ソファのクッションを投げつけられて前が見えなくなる
クッションを取るとそこにはもう夏海はいなかった


「前本……?あいつか」

「知ってるのか?」

「はい。手ェ出すのが早いって男のなかでは噂になってます」

「何!?」

「だから、もし付き合うことになってたらマズイすよ、太刀川さん」

「……………」


プルルル

「夏海……出ろよ……」

出水の話を聞いて心配になった俺は夏海に電話をかけた

しかし、いつになっても夏海は出ない

「……くそっ………」

家にかけるとお袋が出た

《もしもし》

「もしもし、お袋。俺」

《あら、慶?どうしたの?》

「夏海、いる?」

《もう寝るっていって部屋に入ったけど……》

「………そうか、わかった。おやすみ」

《?おやすみ》

「………夏海………」

………嫌な予感がする


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