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ワールドトリガー【中・短編集】

第26章 相棒―――迅悠一(番外編)


「おい夏海」

『それでね、悠一が何回もかわいー、っていってくるの。ほんと、困っちゃったよ』

「ちょっと!夏海!」

悠一は慌てて私の口を手で塞いだ
皆を見るとレイジさんと京介以外ニヤニヤと悠一を見ていた
レイジさんと京介も心の中では笑っているのだろうが

「へぇ、ラブラブなのね」

「夏海さんも迅さんのこと好きなんでしょ?」

口を塞がれていて答えられないため、こく、と頷く

「うわぁ、ほんっとラブラブ」

「お似合いですね。美男美女って感じです」

「おっ、わかってるな、メガネくん」

「迅が美男……?」

「夏海さんは美女すけど………」

「二人ともひどっ!」

顔を歪めて呟くレイジさんと京介に親指を立てる
レイジさんには苦笑されたが、京介は親指を立てて返してくれた

「夏海さん、本当に綺麗ですね」

千佳が私を見ていった
私は悠一の手を剥がして千佳の頭を撫でた

『千佳は綺麗じゃなくて可愛いよ』

「そ、そんなこと………」

『いやいや、可愛いって。ね?修』

「…………え!?僕ですか!?

あ、はい、まあ、可愛い……と、思う……」

修は顔を真っ赤にして千佳に言った
言われた千佳も顔が赤い

ニヤニヤと笑っているとドシッと頭に手刀が落とされた

『いたっ!』

「いじめすぎだぞ、夏海」

『……はーい』

椅子に座り直してオムライスを口に頬張る

『んー、おいしー』

「ねぇ、夏海さんって強いんでしょ?相手してよ」

遊真がオムライスを食べる私を見つめて言った

『んー………。やだ』

「え?」

『まだ、ちゃんと入隊してないんでしょ?ならやだ』

「えー、どうして?」

『トリガー、スコーピオンしか持ってないんでしょ?それなら私が絶対勝つから。面白くないし』

「言うね。夏海さん。………じゃあ、楽しみは今度までとっとくよ」

『早く強くなってね』

「了解」

親指をグッ、と立てへらりと笑った遊真はどこか悠一に似ていた



『ごちそーさま。レイジさんまた作ってね』

「ああ」

『よし、悠一行こ』

「わかってる」

「どこ行くの?」

部屋を出ようとしたところで栞が聞いてきた

『漫画買ってから本部』

「なるほど。いってらっしゃい」

『ん。いってきます』

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