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ワールドトリガー【中・短編集】

第22章 夏といえば――18歳たち


――――――花火大会

『お待たせー!』

片手をあげて皆のところに行くと全員が目を見開いた

荒「馬子にも衣装…………だな」

犬「うんうん」

『何よ!』

荒「いや、何でも…………」

当「まご………?……“孫”………?」

影「オメーは黙ってろ!」

村「浴衣似合ってるよ。夏海」

北「色も夏海にぴったりだねー」

『ありがとう!鋼、尋!』

当「浴衣か………いいな」

『お前の頭はそればっかりか!!こんのクソヤロー!』

当「いってぇぇ!!」

当真の脛を蹴る
下駄で蹴ったためかなり痛いはずだ

『フンッ!』

荒「………じゃあ、まず何か食い物買おうぜ。腹へった」

『え?哲次の奢り?』

荒「ハァ!?ちげーよ!お前俺より金貰ってんだろ!」

『けちー!澄晴奢って!』

犬「何ほしい?一個だけね。俺も食いてーから」

『うわー!ありがとう!澄晴やさしい!誰かさんと違って!』

最後に荒船を見て言った

荒「んだよ!その目は!!」

『まったく…………これだから哲次は……。アクション映画ばっかり見てるから女心がわかってない』

やれやれ、と首を振ると荒船の額に青筋が浮かぶ
だが、ハッとして夏海を見た

荒「…………そういやお前女だったな」

『………うっわ!さいてー!勇よりひどいっ!!』

北「荒船今のはひどいよー」

『ひろー!』

うわーん、と北添に抱きつく夏海
そんな夏海を北添は笑いながら頭を撫でていた


男ばかりだからか食べる量がすごかった
荒船と穂刈、当真は射撃ですべて景品をかっさらっていた
要らないものはその辺の子供にあげたりして――



『…………人多いなー――――――――ってあれ?皆?』




回りを見るとあのうるさい連中共は居なくなっており、私一人だ


(はぐれた……………)



『……はは……嘘でしょ………』



そう呟いた言葉に返事はない




とにかく今どこに居るかを確認しようとして人混みから抜けて近くの木に背を預ける
ふぅ、と一息つくと足元に影が降りた

少し期待して顔をあげるとそこにいたのは金髪の男と耳にたくさんピアスをしている男だった

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