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ワールドトリガー【中・短編集】

第21章 酔い潰れ――成人たち


風間version


「俺が送っていこう」

そう言うと夏海が顔を上げた
そんな夏海に早く帰る準備をしろ、と言うと素直に帰る用意をし始める

「なら、頼んだぞ風間」

「はい」

東に肩を叩かれ、頷くと俺と夏海を置いて店を出ていった

「歩けるか?」

『……は………い………』

夏海は眠たそうに俺の服の裾をつかんだ
そのまま歩いていくと急に夏海がもたれてきた

『………ふふ………風間さん…………ちっちゃくてかわいい……………』

「それはどうも」

かわいいと言われるのは慣れているため右から左に流す

『……風間さんて…………ギャップすごいよね………』

「なんだ。酔いが覚めてきたのか?」

口調がはっきりとしてきたため顔を覗き混むと不機嫌な顔をしていた

『…………質問してるのはこっちなのに………』

まるで子供だ
俺はため息をつくと同時に笑いが込み上げてきた
普段は気の強い夏海は、甘えることなど滅多にない

店で送る役を申し出てよかったと思った

「悪い。ギャップのことならよく言われる」

そう答えると嬉しそうに笑った
その頭を撫でてやるとさらに嬉しそうにだが、恥ずかしそうに顔を染める

「………ほら、帰るぞ」

『……はいっ!』

手をとるとギュッと握ってきたため、俺も優しくにぎり返す







二人がくっつくのはもう少し先のようだが






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